5月28日、衆議院憲法審査会の自由討議で「憲法改正国民投票法を巡る諸問題」について私が述べた意見の概要です。資料と動画を是非ご覧になってください。(2020年05月28日)

 

5月28日、今国会初となる衆議院憲法審査会が開会され、「憲法改正国民投票法を巡る諸問題」をテーマとする自由討議を行いました。
審査会の模様は動画で紹介されております。
冒頭、私は与党・筆頭幹事としてこれまでの議論の経緯と現状、今後の議論の方向性について意見を述べました。
その概要を以下に記します。長文で恐縮ですが、是非ご一読ください。

国民投票法については、大きな論点が2つあります。
1.「国民投票法改正案(7項目案)」

〇令和2年5月28日憲法審査会 新藤義孝作成資料

約2年前に与野党の合意をもって法案の趣旨説明が行われながら、6国会を経ても野党の審議拒否により「たな晒し」となっている議員立法の法案質疑・採決をどうするか、という問題です。
この件については、私が筆頭幹事に就任して以来の経緯に触れました。
昨年の5月時点で憲法審の与野党幹事の間では、「7項目の採決の後、速やかにCM規制の議論を開始する」ことを前提として協議が行われておりました。
ところが審査会を開く最終段階で毎週のようにくつがえされることが続き、その対処については昨年5月以降、前国会まで18週連続で円満に幹事懇談会が開催され、国民投票法改正案の質疑・採決を含む与野党協議がなされてきたのです。
しかしながら最近になって、誠に遺憾なことですが、その約束は今では野党側より「状況が変わった」とされてしまっています。
私としては到底受け入れられるものではありません。
そもそも7項目案は、倫理選挙特別委員会(倫選特)の公職選挙法改正案の審議において全党一致で改正されたものであり、すでに一般の選挙で実施されている共通投票所の設置や期日前投票の弾力化などを憲法改正国民投票に反映させるもので、これら内容の審議は尽くされているのです。
以上をふまえ、「憲法審で2年前に与野党合意の上で円満に改正案の趣旨説明が行われている法案について、質疑・採決を早急に行い、結論を得るのは当然のことではないか。」と訴えました。

2.「国民投票に関するCM規制のあり方」について

〇令和2年5月28日憲法審査会 新藤義孝作成資料

この資料は、5月14日の憲法審幹事懇で私がまとめた「私案」として提示し、本日の自由討議において机上配布させていただいたものです。
国民投票における「CM規制」の主な論点となっている「CM量の賛否平等取り扱い」について、解決の方向性として私が整理した「4つのカテゴリー」を説明いたしました。
平成19年に制定された国民投票法審議の中で、国民の「表現の自由」と「国民投票運動の公平・公正」のバランスが取れた「CM規制」の構築は、大きな論点でした。
この点について、昨今の広告メディアが多様化する社会情勢の中でのCM規制について、SNSの進展や放送事業者の自主規制に関し様々な論点がさらに提起されています。
野党の皆さんが求める「国民投票法におけるCM規制」について憲法審で議論することは、私たちも同意しております。
公選法並びの7項目の審議に決着をつけた後、即座にCM規制の議論に入ることは、1年前より与党側から野党の皆さんに申し上げている約束です。
現に、これまで幹事懇で2回、昨年5月の憲法審参考人質疑で1回、計3回にわたりCM規制に関するヒアリングを民放連より行っており、加えて昨年11月には、国民民主党がまとめた法案について、幹事懇参加メンバーによるCM規制に関する予備的な意見交換も行なっております。
これだけの事実が積み上げられておりながら、日本維新の会と希望の党を除く野党の皆さんは、「与党が国民投票法CM規制の議論をしようとしないので、7項目の質疑採決には応じられない」とし、憲法審の開催を拒否する理由としているのです。

改めて国会法及び衆議院規定に定められた憲法審査会の役割を、皆さんと共有したいと思います。
すなわち、憲法審審査会は
「日本国憲法及び憲法に密接に関連する基本法制について、広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、改正の発議または国民投票に関する法律案等を審査する。」ために設置されています。

審査会の活発な運営と憲法論議が深まるよう、引き続き精一杯努力してまいります。

#衆議院憲法審査会