明けましておめでとうございます。あなた様には新年をつつがなくお迎えのことと存じます。
週刊新藤 第304号WEB版《年末年始号》を発行しました。
『2025年、新しい年の始まりに。』
・すべての世代の賃金・所得を増やす!
・令和7年巳(み)は、混沌から脱皮し、新たな自分に挑戦する年。
と題し、本年の抱負を書かせていただきました。
是非ご覧になってください。
皆さまにはお健やかにお過ごしのことと存じます。
日頃よりお世話になっておりますことに心より感謝申し上げます。
今年の干支は何を意味しているのか。毎年教えていただいている青木氷川神社の鈴木邦房宮司さんに話を伺いました。
令和七年は「乙(きのと)巳(み)」。時刻でいうと午前11時頃で、一日の中で最も活気がある時間です。動物でいうと『蛇』が当てられます。
「蛇(へび)」は脱皮を繰り返すことから「新たな姿に生まれ変わる」や、「新たな挑戦」「変化に対して前向きな姿勢」を暗示しているとされます。
昨年は、地震や台風など災害が多発した年でした。また、政治や経済におきましても、なかなか突破口を見出すに至りません。
本年は、混沌とした状況から「脱皮」して、被災地の方々が一日も早く「再生」し「起き上がる」年としていただくと共に、一人ひとりが世の中の変化に対して前向きに行動し、新たな自分に挑戦する年にしたい、と願っております。
▶衆議院議員選挙と自民党・政調会長代行就任◀
令和6年10月27日、第50回衆議院議員選挙が行われ、おかげ様で引き続き議席を得ることが出来ました。衆議院議員の重責を心に留め国のため、地域のため、皆さまのため、精魂込め全力で務めを果たしてまいります。
国会に戻り、自民党の政調会長代行、憲法改正実現本部事務総長、G空間社会実装委員長などに就任いたしました。まず取り組みましたのは、新たな経済対策の取りまとめです。
我が国経済は、33年振りの高水準の賃上げを実現、名目GDP600兆円の達成と、成長と分配の好循環が動き出しています。
長きにわたったコストカット型経済から脱却し、日本経済を熱量あふれる新たなステージへと押し上げ、賃上げと投資がけん引する成長型経済へ移行させるべく、あらゆる政策を総動員いたします。
▶持続的な成長に向けた総合経済対策のとりまとめ:3本の柱◀
新たな総合経済対策では、以下3つの大きな柱を打ち立てました。
①全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす
②誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける
③成長型経済への移行の礎を築く
何より重要なことは、女性・若者・高齢者を含む「すべての世代の現在および将来の賃金・所得(年金やその他所得を含む)を増やし、日本経済・地方経済の成長力を強化」することです。
そのカギを握る「賃上げ」の実現のためには「企業の稼ぐ力」を強化する必要があり、投資の促進、新技術の社会実装による新たな需要を創ります。(第1の柱)
成長型経済への移行に道筋をつけるために、「物価高を克服する所得の向上」を図り(第2の柱)その礎を築くために、国民生活の「安心・安全の確保」に万全を期す(第3の柱)、としました。
これらの考え方は、総合経済対策・令和6年度補正予算に加え、令和7年度の予算編成に続く経済財政運営の基本方針となっており、大きな戦略のもとに実行されていきます。
▶衆議院予算委員会にて経済対策・補正予算案について質問◀
12月10日、私は衆議院予算委員会で質問に立ち、令和6年度補正予算案の目的と効果について、総理や関係閣僚の答弁を求めました。
その模様は衆議院インターネットTV の録画でご覧になれます。
当日使用したパネル資料 です。是非ご覧になってください。
◆物価上昇を上回る賃上げ支援と価格転嫁
今回の対策で最も重要な点は「賃上げの持続」を促すことです。物価上昇を上回る持続的・構造的賃上げを実現するためには、力強い賃上げの動きを、全従業員の7割が働く中小企業や下請零細企業までを含めて全国に波及させ、日本全国に「賃金が上がることが当たり前だ」というノルム(社会規範)を定着させることが必要です。そのカギを握るのが「価格転嫁」です。
岸田政権において、私は経済再生担当大臣として様々な手段を用い、適切な価格転嫁の実現を促してきました。大企業との価格交渉に労務費や物件費の上昇分を加えた見積もりが出せるようになるなど、一定の成果も上がっています。この流れをさらに強め、物価高を上回る中小企業の賃上げを実現させるため、一層の取り組み強化を図ります。
中小企業の取引実態に関する情報収集体制を強化し、問題ある発注事業者の情報を収集するとともに、事業所管省庁と連携し、公正取引委員会による「下請法の執行強化」を行います。
建設業・物流業においても、価格転嫁の円滑化及び賃上げ原資の確保は欠かせません。重層下請構造の適正化に向けた実態調査、適正な見積りの普及、建設Gメンやトラック・物流Gメンを活用した事業者間の取引に係る調査・改善指導を強化し、取引適正化や業界労働者の処遇改善を進めます。
警備業についても、業界自主行動計画を踏まえ、労務費を含めた適切な価格転嫁を図ります。
◆「重点支援地方交付金を活用した価格転嫁の推進」目玉施策を提言
私は、賃上げを後押しする価格転嫁を全国各地域・中小企業に浸透させる取り組みとして、補正予算案の目玉となる「自治体公共調達」を支援する施策を提案しました。
全国の地方自治体が発注する建設工事、警備、物流、印刷、物品調達などの予算に、物件費や労務費の上昇分を価格転嫁し、その分は国の支援金(重点支援地方交付金)でまかなえるという仕組みです。
大半の受注者は地域の中小企業です。自治体の予算に人件費や物価上昇分を盛り込み、過疎地を含めた全国津々浦々で価格転嫁が実現すれば、各地域の民間需要にも波及されることになります。
この新しい施策を説明する資料/「重点支援地方交付金」(令和6年度補正予算)を活用した地方公共団体発注の公共調達における価格転嫁の促進について を作りましたので、是非ご覧になってください。
何としても賃上げ・価格転嫁が全国的な動きになるよう、全力で取り組んでまいります。
◆投資支援
人口減少は続き、人手不足は深刻化しています。
大臣として取りまとめた昨年の対策では、カタログから選ぶ汎用製品の導入により省人化投資を促しました。
今回は業務に応じたソフトウェアの簡易な選択と導入支援を加えました。その際、生産現場のみならず、会計事務等を効率化するためのIT化も支援するとともに、導入後のサポート支援も行います。
◆DXの推進
成長型経済に移行するためには、新しい需要を創り出し、生産性の向上を図らなければなりません。
DX、GXを進め、自動運転やドローンによる新しい交通・物流モビリティを事業化し、社会的課題を解決し新たな産業を創出します。
◆フロンティアの開拓~宇宙と海洋~
これらに加え、世界規模で市場が拡大している宇宙と海洋について、将来の日本経済をけん引する大きな挑戦をするべきと訴えました。
私はこれまでも自民党の宇宙・海洋開発特別委員長として、技術開発から商業化・産業化までを見据えた支援の強化、経済安全保障を含めた国家戦略として、官民プロジェクトの展開を打ち出してまいりました。
【宇宙分野】
昨年の経済対策でJAXAに「宇宙戦略基金」を設置し、今回と合わせ6,000億円となりました。速やかに総額1兆円規模の支援を確保します。
輸送、衛星、探査など宇宙の産業化を目指し、月に日本人を送るアルテミス計画などを推進します。
【海洋分野】
「海洋基本計画」及び「海洋開発等重点戦略」に基づき、自律型無人探査機(AUV)等の利用実証、海洋情報の産業分野での利活用促進を図ります。
世界6位となる広大な我が国のEEZには、豊富な鉱物資源が存在しています。南鳥島周辺海域に眠る世界需要の200年分以上といわれる量のレアアースについて、生産実証に向けた取り組みを加速します。
◆安心・安全の確保~出入国在留管理の強化~(クルド人問題への厳格な取り組み)
成長型経済に移行するためには、円滑な経済社会活動の礎である国民の安心・安全の確保が必要です。都市部における闇バイト対策など防犯対策の充実を行うと共に、我が国行政の根幹である出入国在留管理についても、必要な対策を充実強化させていかなければなりません。私は、入管庁の前身である法務省の内局時代から幹部と何度も協議を行い、二度の入管法改正に深く関わってまいりました。
2023年に入管法が改正され、24年6月10日から施行されています。先ず、難民申請を何度も繰り返すことで日本にいつまでも留まれる制度を見直し、3回目以降の申請では「難民と認定すべき相当の理由」が明確に示されない限りは送還が可能とされました。
併せて、退去強制令書を受けた外国人の自発的な出国を促す新たな制度が設けられ、難民申請に依存するばかりの在留をあきらめて出国する者も増えています。
川口市とその周辺地域では、クルド系トルコ国籍の人々が特定区域に集住するようになり、日常生活面でのマナー違反に留まらず、コンビニや公園での集団迷惑行為、無免許暴走運転、人身事故など、事件・事故が多発し、地域住民の怒りと不安は頂点に達しています。
これは地域内の取り組みだけで決して解決できる問題ではなく、法治国家として、入国可能な外国人の適正な受入れと問題のある外国人の退去強制をしっかり担保することが解決の前提です。
特に、送還忌避者が法制度に反する形で日本国内に留まれることになれば、社会秩序の面で混乱の生じている欧米諸国のように、我が国でもいわゆる移民・難民問題が激化するおそれもあります。
在留資格をもって入国・在留し刑事事件を犯さない基本的なルールをきちんと守っていない外国人は、最終的に公権力をもって送還するという、厳格な出入国在留管理が必要です。
◆さらなる入管法改正と、仮放免制度の運用見直し
昨年は、女子中学生への性的暴行により執行猶予中だった在留クルド人の男が、再び性犯罪で逮捕、起訴されるという事件が川口市内で起きてしまいました。
犯人は難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれている仮放免という状態でした。
昨年6月より施行された改正入管法では、仮放免の対象を限定し、新たに監理措置の仕組みを設けていますが、地域の実態を踏まえたさらなる見直しが必要です。難民認定制度の悪用の根本的課題である「仮放免制度」の的確で厳正な運用に向けて今後とも法務省・入管庁と協議を深めてまいります。
◆電子渡航認証制度(「ESTA」)の早期導入
昨年は3千万人を超える外国人渡航者が観光、ビジネス、留学等々の目的で日本を訪問しており、その大多数はまさに善良な渡航者です。その一方で、査証免除制度や難民認定制度を悪用し、日本での出稼ぎを目論む外国人の問題が発生しています。観光立国として、今後6千万人もの訪日外国人を受け入れる予定の我が国では、より一層の厳格な入国審査が欠かせません。
そこで、既に米、英、カナダ、豪などで効果をあげている電子渡航認証制度(「ESTA」)を、我が国にも速やかに導入すべきです。今回の補正予算では、その準備を前倒しする経費を措置しました。
この制度導入により、日本での滞在目的、滞在場所などが不明確で、観光客を装った不法な出稼ぎ目的などの入国は、日本に向けて渡航するよりも前の段階ではじかれることになります。
日本に行きたい、仕事がしたいという外国の方を受け入れ、外国の方から「選ばれる日本」となることと、厳格な出入国在留管理の下でルールを守り、文化や習慣の違いを理解し、互いを尊重しあう共生社会を目指すことは、同時に進められるべきということを強く申し上げておきます。
▶世界に負けない成長。日本経済を押し上げる年に!◀
日本を取り巻く世界情勢に激震が続く中、国内外が期待していることは、日本が持続可能な安定成長軌道へ移行することであり、今こそ、あるべき日本の姿を徹底的に追求していく正念場にあります。
日本もようやくここ数年でGDPも賃金も増えましたが、30年間の伸び率は約1倍です。つまり、ほとんど成長していないのです。
日本のGDP600兆円到達はゴールではなく、通過点です。
同じ30年間でアメリカの名目GDPは3.8倍、一人当たり賃金は2.6倍、株価は13.7倍になっています。
ドイツは、日本の3分の2の人口、就業者数は約6割、労働時間は約8割で、日本と同程度のGDPを生み出しています。
我が国が目指すべきは、少子高齢化・人口減少の下でも、労働生産性を徹底的に高めて持続的に成長する民需主導の自律型成長経済です。その実現のために総合経済対策と補正予算も練り上げました。
日本はもっと成長できるのです。今こそ政治は、世界に負けないさらに一段高い成長経路へと日本経済を押し上げるため、目標を明確に打ち立て、その実現戦略を示さなければなりません。
私は微力ではありますが、その責任の一端を担うべく全力で活動してまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。