特別座談会動画「揺らぐ地域経済・雇用危機」。私と民主党の石田代議士が同席する初めての催しです。

2010年2月22日(月)川口駅前キュポ・ラ4階「フレンディア」にて開催されました
川口地区雇用対策協議会主催の特別座談会
「揺らぐ地域経済・雇用危機~中小企業のこれからをさぐる~」
の動画をアップしました。 

経済・雇用問題について、同じくパネリストとして出席した石田代議士らと熱い議論をしております。

ぜひご覧ください。

第194号 予算審議に抵抗する理由~政権担当能力無き政府~

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学生団体ivote(アイボート)の企画により、大学生の皆さんと国会で懇談を行いました。
若い人たちが将来に希望を持ち、明るく誇りの持てる国づくりを進めることが私の責任です。


 平成22年度当初予算の衆議院通過を巡り、政府・与党と自民党は先週より激しく対立しました。自民党の審議拒否については賛非両論さまざまなご意見を私も頂戴しました。
 今号では、なぜそこまでして政府を追及しているのか皆さまにご報告させていただきます。
 その理由は大きく 2 つあります。第一に、予算編成を行う政府・与党の信頼性の問題です。政治とカネを巡る重要な疑惑を一切払うことなく国民に責任ある政策を実行できるわけがありません。
第二は、予算が本当に適切な編成となっているか、という点です。国会の最も重要な仕事は予算編成です。その編成と執行の全責任を負う政府は、みんなのために公平・公正で効果的かつ持続可能な予算を編成しなければなりません。
 今回の政府提出予算案はあまりにもずさんで場当たり的です。これを是正しなければ我が国の財政運営は今後、極めて危機的な状況に陥ることになってしまうのです。


◆ 鳩山首相の巨額脱税疑惑

 鳩山首相の母からの政治資金提供問題は全く解明されておりません。首相が 7 年間のうちに提供を受けた12億円のカネは、贈与であれば脱税になり、寄付であれば政治資金規正法違反になります。このような重大な問題にも関わらず、首相は未だに詳しい説明をしません。母からの毎月1500万円の「特別子ども手当」は、国民の眼にどう映るでしょうか。


◆ 小沢カネまみれ疑惑

 小沢幹事長の資金問題もまだ終わっていません。土地に関する政治資金収支報告書の虚偽記載疑惑に加え、政党解党時の公金横流し疑惑、そしてゼネコンからの裏金疑惑と、解明されていない問題が山のようにあるのです。
 小沢氏は国民の前での説明を避け、未だに政権与党の最高実力者として権力の中枢にいます。
 疑惑まみれの権力者が裏で采配を振り編成した予算を、どうして信頼できるのでしょうか?


◆ 日教組からの裏金疑惑

 また先の総選挙において民主党の小林千代美議員が北海道教職員組合から1600万円もの違法な闇資金の提供を受けていた疑惑も出てきました。日教組が支援する民主党議員の選挙を丸抱えしていたのでは、と指摘されております。
 日教組が受け取っている組合費は公務員の給料から支払われており、国民が払う税金がその原資です。
 このような疑惑を解明せずに予算審議を進めることは出来ません。


◆ 箇所付け漏洩問題

 道路などの公共事業の箇所付け漏洩問題もあります。自民党政権下でも箇所付けの連絡は、4 月に予算が成立した後に行っておりました。
 しかし今回は、予算審議が始まる前の 1 月末に国交省の政務三役から民主党各県連に内示され、一部は自治体にも流出しました。
 しかも、民主党組織を通じて陳情が上がった事業は予算が増額され、自民党との関連の強い事業は減額されているという極めて恣意的な操作が行われていたのです。
 これは、予算審議をないがしろにする行為であり、民主党が公共事業による利益誘導政治を裏で行おうとしている証拠でもあります。
 政・官・業の癒着の打破を掲げていた民主党の看板は、偽りだったのでしょうか?


◆ 予算編成の原則を知らない?

 予算の中身そのものにも問題点がいくつもあります。まず、そもそも鳩山内閣は予算編成の基本原則を無視しています。もしかすると知らないのかもしれません。
 毎年続ける恒久的な政策は、当初予算を組み恒久的な財源でまかなう。一方、景気対策など一時的な政策は補正予算を組み臨時的な財源でまかなう。これが国家予算を組む時の大原則であり、我々自民党はこれにのっとって予算を編成してきたのです。
 しかし民主党政権はマニフェストの目玉である子供手当てなどの政策を、恒久財源を示せないまま実施しようとしています。
 無駄の削減と埋蔵金の活用はまさに画に描いた餅であり、今回の予算編成を認めることは、我が国の財政運営路線が際限のない国債発行に頼る路線になることを認めることになってしまいます。
 国家の財政規律を守るために、これまで政府は予算編成する際に、財政運営に関する中期財政プログラムを策定してきました。


◆ 中期展望なき財政運営

 5 年程度の期間の中で歳出・歳入の全体枠を設定し、調達する国債発行額の限度を設定してきたのです。
 この国の長期債務残高は先進国最悪の863兆円であり、これ以上悪化させないことが至上命題であることは誰もが知っています。
 しかし、民主党政権は予算編成にあたりこの中期財政プログラムを作成しておらず、現在審議中の予算案は先の展望のない、いわばその場しのぎのご都合予算になってしまっているのです。
 今回の予算編成を認めることは、今後政府によって続けられるであろう放漫財政と恒常的な赤字体質を認めてしまうことになるのです。


◆ 自ら提案した予算の無駄を自ら仕分け?

 更に決定的におかしな点があります。民主党が来年 4 月に事業仕分けの第二弾を行うとしていることです。
  4 月に事業仕分けを行うということは、自ら提案し現在審議している来年度予算案に無駄があることを自ら認めていることになります。
 提案者が「非がある」と認めている予算を、どうして審議することができるでしょうか?


◆ 政権担当能力なき政府

 鳩山内閣の政権担当能力には大きな疑問があります。財政・経済・外交など国家運営の実務能力が著しく欠如しているのです。
 自民党は、野党だから反対しているのではありません。私も審議拒否には強い違和感があります。この国の財政、この国の将来に強い危機感を抱くからこそ、現政権と対峙せざるを得ないのです。
 来年度予算案の審議は、単年度の審議にとどまらず、民主党政権による国の予算編成や財政運営の方針転換を認めるという点において、今後の日本の方向を決める重要なターニングポイントになります。
 私は国を想う心と政治的信念に基づき、国家運営が少しでも改善されるよう、与えていただいた職責を精一杯果たしてまいります。


 新 藤 義 孝

第193号 今こそ「小沢流政治」との決別を!~危険な民主集中制~

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毎週日曜日、午後 3 時頃から 5 時過ぎまで川口駅東口デッキ上にて国政報告と湘南新宿ライン署名活動を行っております。皆さまと意見交換もしております。ご都合がよろしければ是非お立ち寄りください。


◆ 小沢氏の不起訴

 2 月 4 日、東京地検特捜部は、民主党の小沢一郎幹事長の元秘書である石川知裕衆議院議員ら三人を政治資金規正法違反で起訴しました。
 一方で小沢氏は嫌疑不十分として不起訴処分となりました。
 しかし、このことで小沢氏の疑惑が晴れた訳ではありません。小沢氏には国民に対し重大な説明責任が残っています。


◆ 虚偽記載の総額は21億円!

 小沢氏は不起訴となった夜、記者団に「不正なカネをもらったことはない。石川は形式的なミスの責任を問われている」と繰り返しています。
 しかし、起訴された 3 人の秘書経験者の虚偽記入は合わせて21億円にも上ります。こんな巨額の政治資金の虚偽記入は過去に例がありません。それを形式的ミスと平然と繰り返す小沢氏の説明に、世論調査で 9割近くの国民が納得できないというのは当然の結果だと思います。


◆ 19年間で30億円の企業団体献金

 小沢氏にまつわる「政治とカネ」の問題は、今回の政治資金規正法違反だけではありません。むしろ、これは大きな問題のうちのほんの一部分に過ぎないのです。
 ゼネコンなどから集めた企業・団体献金は、平成 2 年から19年間で約30億円!!なぜそんなに巨額の献金を集め、何のために使っていたのでしょうか?


◆ 政党解党時に22億円を横流し?

 平成 6 年、小沢氏が代表を務めていた新生党は新進党結成のために解党されました。その直前に残っていた資金約 9 億 2 千万円が、小沢氏と関連の深い「改革フォーラム21」という政治団体に移されました。
 移動された資金のうち約 5 億円は公金である立法事務費であり、いわば国民の税金を自身の団体に横流ししたことになります。
 同じことが平成15年の民主党との合併に伴う自由党解散時にも行われています。自由党の残金、約 5 億 6千万円の政党助成金を含む約15億 5千万円のうち、約13億 6 千万円が解党当日に実質的に小沢氏の関連団体と言える「改革国民会議」に移されているのです。


◆ 手続き上は法に反せず??

 政党助成金や立法事務費の原資は国民の税金ですが、政党解散時の返還義務規定がありません。政党助成金は法律上、解散時に総務大臣が残金の返還を求めることが出来ることになっておりますが、命令に従わなくても罰則がないのです。
 政治資金規正法や政党助成法の成立にかかわった小沢氏は、法律の不備や抜け道も熟知しており、記者会見等で連発する「私は法に則って適正に処理しております」というフレーズは、「手続きどうりにやって何か悪いことがあるのか」という内心が表れたものでしょう。
 しかし手続きの不備を突くことが正しい手法といえるのでしょうか?
 小沢氏が長年行ってきた資金の不透明な移動や不動産取得は、全く法の予定していないものであり、このような姑息な行為について、政治的・道義的責任は逃れられず、決して許してはならないと私は思います。


◆ 自浄能力が問われる民主党

 政権与党時代の自民党に、今回のような総理や閣僚・党幹部による事件が起きていたら、どうだったでしょうか。問題を起こした議員には世論だけでなく、党内からも大きな批判が上がり即刻役職辞任、または議員辞職、政権はその時点でつぶれたことでしょう。
 今の民主党はあれだけ政治と金の問題を追及し、「秘書の行ったことは政治家の責任だ」と舌鋒鋭く政府を追及してきた鳩山首相はじめ政府・与党の幹部が小沢氏の幹事長続投をあっさりと認め、その政治責任を問う声はおろか、説明責任を求める声もほとんど上がりません。
 また、小沢氏不起訴が正式に決まる前日の夜には、約40名の民主党議員が議員宿舎で不起訴を祝う「前夜祭」さながら、小沢氏のお面をかぶった議員が鬼に豆をまくという、節分の豆まきごっこに興じたという報道もありました。
 民主党議員には、政権党の一員としての自覚と自浄能力の発揮を強く求めたいと思います。
 現政権が掲げる「政治主導」の手法は、いったん指導者を民主的に選べば、後はその指導者の決定に無条件で従い続けるというレーニン主義の旧ソ連や、中国共産党が行ってきた「民主集中制」そのものです。


◆ 小沢政治は危険な「民主集中制」

 今回の不起訴により小沢氏の党内支配がさらに強化されることになれば、選挙に勝つことが全てであり、選挙に勝てば何をやっても良い、という危険な「小沢流政治」がますます横行することになります。
 小沢氏は自民党寄りの業界団体には面会を拒否し、予算の大幅削減を行います。「会わない、聞かない、出さない」これが、選挙に協力しない者への小沢氏の態度なのです。
 このような「小沢流民主党政権」の影響は、既に私たちの地域にも表れています。
 川口では、植木のセリ市や花の展示会が毎年行われおり、総理大臣や農林水産大臣等の「大臣賞」が授与されておりました。
 主催者団体が例年同様にこの申請を地元選出議員である私の事務所を通して行いましたが、各省からは今年より民主党県連を通じたもの以外は受付できない、と断られてしまったのです。政務三役からのきつい指示だそうです。
 民主党に頼めば要望が通り、そうでなければ申請すら受け付けない状態になってしまったのです。
 もちろん私たち自民党はそんなことはやったことがありません。私も副大臣として政府におりましたが、自分たちの支持者であろうが無かろうが、政府は国民のものであり、どなたの要望や申請も分けへだてなどしたことがありません。


◆ 「小沢流政治」との決別

 政治とカネの暗闇を引きずり、選挙至上主義を恥ずかしげも無く横行させる「カネと数の小沢流政治」。
 良くも悪くも政権交代という新しい政治が始まった今こそ、私たちは古い小沢流政治と決別すべきではないでしょうか?
 これは、自民対民主の争い以前に、日本の民主主義を進展させるために絶対に必要なことです。私は健全な民主政治を取り戻すため、精一杯の活動を行ってまいります。

 新 藤 義 孝

がんばっている人を応援します!「少林寺拳法」

少林寺拳法西川口支部の練習にお伺いしました。
子どもたちが大きな声で元気に練習に励んでいました。

【川口市少林寺拳法西川口支部】
●練習日
毎週水曜日 西スポーツセンター
毎週金曜日 専有道場
※詳しい案内はこちらをご覧ください。

 

「湘南新宿ライン署名活動継続中!」をアップしました


湘南新宿ラインの川口駅停車を求める署名運動はまだまだ継続中で す!
川口駅前のイルミネーションも是非ご覧下さい。
 
 

ウェブサイトからも署名をお願いしています。
詳しくは↓下記をご覧ください。
JR湘南新宿ライン川口駅停車の署名運動実施中!

【その他の動画はこちらから】

【J-Stationも是非ご覧ください】

第192号 永住外国人参政権問題に見える鳩山・民主党政権の危うさ

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毎週日曜日、午後 3 時から 5 時過ぎまで川口駅東口デッキ上にて国政報告と湘南新宿ライン署名活動を行っております。皆さまと意見交換をすることもございます。ご都合がよろしければ是非お立ち寄りください。


◆ 小沢流政治と決別せよ!

 今週、通常国会が開幕しました。冒頭より小沢幹事長を巡る政治とカネの問題で国会は大荒れ模様です。新しい政治を目指す民主党の最大権力者に、表の顔とは別に底知れない闇に包まれたゼネコンとカネの関係が浮かび上がっています。
 ところが鳩山首相を先頭に、民主党議員たちはいっせいに小沢幹事長の擁護に回り、批判や説明責任を問う声はなく、逆に検察批判のための勉強会まで出来る始末です。
 民主党を自由や議論のない陰湿な政党にしてしまった最大の原因は、どう考えても小沢幹事長という政治家の体質と手法にあると思います。
 我が国には新しい政治体制が必要であり、その実現のために政権交代があったのだと私は考えています。
 自民党はこの機会に大胆に変わらなければなりません。未だその改革は不完全であり、さらに思い切った行動が必要です。
 同様に政権交代のみを最優先事項とし、政策も主義も違う人たちの寄り合い所帯である民主党も、所期の目的を達成した今、内部にためている膿みを出し、体質浄化と転換を図るべきではないでしょうか?
 小沢幹事長の政治とカネの問題は、権力や政治的な圧力を加えることなく、事実解明のための検察当局の厳正な捜査と、当事者の説明責任が果たされるべきと考えます。


◆ 永住外国人参政権問題を考える

 今国会の予算審議後に焦点となるのが、「永住外国人地方参政権付与法案」の取り扱いです。
 この法案は国家の主権に関わる問題であり、私は一貫して反対の立場をとってきました。
 法案の中身については、民主党案が明らかになった時点で詳しく論じさせていただきますが、私は内容以前に法案提出そのものに反対です。
 今回はこの法案に関する民主党の姿勢を通して、現政権の危うさを明確にしたいと思います。


◆ 民主党運営の独裁制

 そもそも今回の提出方針決定の前に、外国人参政権についての民主党議員たちによる意見集約の場はあったのでしょうか。年末の幹部会議で決定されたことは報道されましたが、総選挙後に議論の場があったことなど聞いたことがありません。
 民主党内には、賛成・反対の両方の意見が混在しており、衆院選マニフェストからは意図的に削除されたと報道で聞いております。
 鳩山首相も昨年の訪韓の際、李明博大統領との会談でも「個人的には賛成だが、国内にはいろいろな考えがあり、時期を検討したい」と述べています。
 ところが、昨年の12月に小沢幹事長が訪韓し、外国人参政権について「日本側が積極的に取り組まなければならない問題だ」と発言すると、急に事態は動きだします。
 山岡国対委員長はじめ幹部が早期の法案提出を明言するようになり、通常国会への提出が既定路線のようになってしまったのです。
 党内議論なしに、小沢幹事長の意向で党と政府が動いてしまう、民主党の独裁的な意志決定の姿が浮かび上がってきます。


◆ 政府提出法案とする意味

 平成10年以来「永住外国人地方参政権付与法案」は何度か国会に提出されています。いずれもほとんど審議なしに廃案になっておりますが、全て議員立法でした。
 「選挙」という純粋に政治的な分野に関わるものであること、また極めて政治的な判断が必要とされる問題であり行政府の所管には馴染まないものであることがその理由です。
 しかし、小沢幹事長が「日本政府の姿勢を示す意味でも政府提案で出すべき」と述べると、その方向で流れが決まってしまったのです。
 政府提出法案であれば、当然国会での採決に党議拘束がかかることになります。圧倒多数を持つ民主党は最終的に数の力で押し切り、何が何でも成立させることが可能です。
 党内議論ばかりか国会審議も軽視し、議論よりも結果ありきという民主党の本質的な危うさを示していると言わざるを得ません。


◆ 法制局長官を答弁から外す意図

 民主党はこの通常国会から内閣法制局長官を国会答弁から除外することを決定しました。
 日本国憲法第十五条は、「公務員を選定することは、国民固有の権利である」と定めています。外国人に参政権を与えることは、憲法違反にあたる可能性が極めて高いのです。
 この問題の合憲性を、法体系の一貫性を保ってきた法制局長官ではなく、内閣の一員である政治家が答弁するとなると、法解釈に政治的な判断が入ることが危惧されます。
 「政治主導」の名の下に、法解釈の中立性や一貫性をないがしろにし、自分たちの政策をすすめるために長官答弁を禁止するのだとすれば、こんな危険なことはないと思います。


◆ 外国人参政権法案は選挙対策?

 民主党の山岡国対委員長は、今年の在日本大韓民国民団(民団)の新年会において「外国人参政権を今国会で実現するよう錦の御旗として全力で取り組む」と発言しました。
 同じく赤松農水大臣は、昨年の衆院選での民団の民主党支援に「心から感謝申し上げる」と述べた上で「外国人参政権は民団への公約」と強調しています。
 永住外国人参政権の付与を条件に選挙で民団の組織的支援を受けたことを公に認め、外国人参政権法案の提出とその成立が、民団への「恩返し」であり、夏の参院選に向けたさらなる支援要請と捉えられます。


◆ 政権党の健全性をチェックする

 私には外国人参政権問題を巡る民主党の状況から、法案の内容自体もさることながら、国民主権を唱え新しい国づくりを掲げる民主党の裏側に潜む独裁性・独善性・国会軽視・選挙最優先という体質が見えるような気がしてならないのです。
 民主党の全てを否定するつもりはありませんし、他所の党の批判をする前に自民党の改革が必要なことは大前提です。しかしその上で、この国の政治を司る政権党が健全であるかどうかをチェックすることは、正しい国家運営に絶対不可欠です。
 この通常国会においては、さらに政策論争が重要になって参ります。外国人参政権法案の成立阻止は無論のこと、健全な国会運営に向けて、精一杯活動してまいります。


 新 藤 義 孝

第191号 平成22年の新春を迎えて~国政を正しい方向に向けるために~

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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
動画でご挨拶させていただいております。どうぞご覧になって下さい。


 皆さまにはお健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。平成22年が明けました。今年はどんな年になるのでしょうか?
 良いこと、嫌なこと、いろいろなことが起こると思いますが、どんな時も勇気とやさしさを持って、世の中の変化に柔軟に対応できるように全力でがんばって参ります。
 また、大逆風の中、私に議席を与えていただいた大勢の皆さまの支援と期待に応えられるよう、精一杯自分の役目を果たしていきたいと思います。


◆ 4期目の国会において

 現在、私は 4 期目の議席をいただく中で、衆議院においては安全保障委員会の理事を務め、自民党では総務会副会長やネットメディア局長のほか、鋳物産業振興議員連盟・幹事長、地理空間情報活用推進合同部会・事務総長、硫黄島問題懇話会・幹事長、等々たくさんの議連や勉強会に所属し役員を務めております。
 また、自民党の埼玉県連会長として、県内の党勢回復と党刷新に向けて活動しております。


◆ 民主党政権が行う「目くらまし」

 新年度の政府予算案が閣議決定されました。歳出が過去最大の92兆円に対し、財源は過去最悪の44兆円の国債発行で賄います。ムダを削って予算を組み替えると云っていた民主党政権が、国民に対し大きな「目くらまし」を行っていることを、私は皆さんに訴えたいのです。
①国債発行44兆円という目標
 21年度当初予算の国債発行は33兆円なのに、これに第一次補正予算分11兆円を加えたものを前政権が発行した国債発行額とし、自分達に都合よくかさ上げしているのです。
②事業仕分け
 自民党や官の無駄遣いを槍玉に挙げましたが、マニフェストに掲げた事業は仕分け対象にしていません。
 政治主導の下で各省政務三役が予算要求した中から無駄を指摘しましたが、それはとりまとめを行った政治の責任です。仕分けの際は政務三役が要求側に座らず、官僚に説明させるスタイルをとり、国民に官の無駄遣いのイメージを植え付けようとしたのです。
③消費税論議の封印
 毎年 1 兆円規模で増え続ける社会保障関係費について消費税論議を封印。こども手当てなどの財源を国債発行に頼ることは、そのツケを子供たちに回すことになるにも関わらず、その事実を国民に伝えようとしておりません。


◆ 国家の運営が誤った方向へ?

 中国・国家副主席との特例会見に見られる「天皇陛下の政治利用問題」や「永住外国人の地方参政権付与法案」の突然の国会提出表明、韓国大統領との会見での「天皇陛下・訪韓発言」、これらはいずれも民主党小沢幹事長の発言です。
 国の運営や外交の基本に関わる問題を、行政的に何の権限も持たない一党の一政治家が、まるで国家元首のように発言し振る舞う姿に、私はとても強い違和感を持っています。
①内閣一元化は有名無実
 党は政策に口を出さないという政策決定の内閣一元化は、有名無実化し、政府の方針は小沢幹事長が決定。政府は党の操り人形のようです。
②陳情制限は政府の私物化
 国民の政府への陳情を制限することを一方的に宣言。陳情は民主党の地方組織を通じ党幹事長室に窓口を一本化。他政党や行政への直接要望を制限することは憲法の趣旨に反するものです。自民党とつきあいのある団体とは会わない、露骨な予算削減など強権的政治が行われています。


◆ 自民党を変えなくてはならない

 一方で自民党についても支持率が上がりません。私自身、このままではいけない、党をもっと変えなくては、という忸怩たる想いがあります。
 民主党の暴走を止め、間違った進路を正すためにも、自民党を変革し、皆さまから期待と信頼を寄せられる姿を見せなければなりません。
 自民党内や同じ想いを持つ民主党内の中堅・若手などと連携し、政界再編成を行うことが私の持論であり、我々世代の大きな役目であると思っています。
 政権交代は政治改革の一つのステップにはなりましたが、この国の政治にはさらに大きな改革が必要ではないでしょうか?
 本年はさらにその活動スピードを上げて参ります。今年一年どうぞよろしくお願い申し上げます。


◆ 湘南新宿ライン、JRとの交渉継続中

 年末の12月11日、湘南新宿ラインの川口駅停車について、JR東日本と交渉を行いました。7 月30日に本社を訪れて以降、8 月の総選挙後もJR側と連絡を取り続け、今回の交渉となりました。
当日の模様を動画でご紹介しておりますので、ぜひご覧になってください。)
 私の方からは、引続き署名を続けていることと、市民の関心が非常に高いことを報告し、最近のJR側の動きについて尋ねました。
 JR側からは次のような答えがありました。
★本件は市民の声を反映した要望であると共に、地元の街づくりと連動したものであり、JRとしても十分認識している。他のところからの申し入れとは違うものと考えている。
★電車が混む、故障が多い、という苦情に対応し、乗車定員を拡大した新型車両の投入を 1 月末までに前倒し完了させる。
★改札口が手狭な点については認識し、今後の検討課題にしている。
★駅ビル建設については、最近の経済情勢を踏まえ、JRとしての考えを固められない状況だ。
★今は難しいとしか云えないが、川口駅のまちづくり全体の中でJRとして考えることもあるかもしれない。勉強は続けたい。
★今後も川口側との継続的な交渉には応じていきたい。
 残念ながら具体的な動きはありませんでした。もとより簡単なことでないことは承知の上です。
 しかしこの問題は粘り強く取り組むことが重要です。目の前の状況は難しく見えますが、将来を見通せばJRが駅ビル建設に取り組む時に、本件実現の千載一遇のチャンスが巡ってくるのです。
 私はJRに対し、新宿湘南ラインが川口駅に停車するまで運動を続けていく、と申し渡しました。そういう覚悟を持って、本年も引続き署名運動も行って参ります。そして、JR側とも定期的に交渉を持ち、働きかけを続けていきます。
 皆さまのご理解と応援をどうぞよろしくお願い申し上げます。



 新 藤 義 孝

第190号 政府による天皇陛下の「政治利用」に断固抗議する~この国に起きていること~

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自民党のホームページ上に、ネットメディア局長として私が企画した
J-Station 自民党ステーション(http://www.ldplab.jp/station/)がこのたび開設されました。j-station_logo.jpg 
楽しい動画満載ですのでぜひご覧になってください。


 今、私たちの国が揺らいでいます。鳩山政権が誕生して 3 ヶ月、回復しかけていた景気は政権の経済運営の稚拙さの中で勢いを失い、未だにその対策すら決まらず予算編成もままなりません。
 「混乱と迷走」。これが今の日本を取り巻く情勢を端的に表す言葉になってしまいました。
 しかし、私は最近になって、この混乱は新政権発足直後の不慣れさから来るものだけとは言い切れない、と思うようになりました。
 もしかすると今度の新政権は、国家の基本方針や価値観そのものを変える革命政権を目指しているのでは、と思うようになったのです。
 その危険な兆候は内政・外政両面に見受けられますが、今号では我が国の外交面における変化を皆様にお伝えさせていただきます。


◆ 日米関係の揺らぎと軋み

 言うまでもなく、日本の外交と安全保障の基軸はアメリカとの同盟関係です。日米安保体制があるからこそ、日本は、朝鮮半島や台湾海峡など未だ不安定な要素を抱える東アジアにおいて、社会の安定を保つことができ、政治的経済的な影響力を高めることができているのです。
 普天間基地の移設問題にかかる鳩山政権の不誠実な対応は、日米関係にかつてないほどの揺らぎと軋みを生じさせました。
 米側は日本の現政権との関係構築を、ほとんどあきらめてしまったと私は感じています。
 鳩山首相の度重なる方針のぶれやそのとき限りの軽い言葉に、米国も沖縄の人々も振り回されています。
 なぜこれほどまでに具体的な腹案も無く、結論を先送りしているのか。これまで実務を積み上げてきた日米の外交・安保関係者たちは困惑し、あきれ果てています。
 しかしながらこれを鳩山首相の決断力の無さと考えず、野党時代からの持論である「常時駐留なき日米安保」を模索するための時間かせぎ、と考えたらどうなるでしょうか。
 これは国防を米国に依存し、軽武装で経済を成長させてきた日本のあり方を根本から変えるものです。
 しかし現在の東アジアの状況を考えると、仮に米軍の駐留がなくなれば、その分日本の防衛力を強化せねばなりません。現在の日本の防衛予算 4 兆 7 千億円はGDP比0.9%で世界の上位100位にも入りません。
 韓国並みにするだけでも防衛予算は14兆円まで膨れ上がります。
 ミサイル防衛も情報は米偵察衛星に依存し、自衛隊の運用は全て米軍との共同を前提とする現在の構図を変えるならば、膨大な費用とリスクを覚悟しなければなりません。
 米軍の抑止力を失った日本の東シナ海の防衛線はどう確保するのでしょうか。
 こうした覚悟も無いまま日米関係を軽視する鳩山政権の危険性を、私は強く指摘したいのです。


◆ 中国への傾斜

 一方で、中国への傾斜が目立っています。民主党の小沢幹事長は党所属議員142人など総勢640人を引き連れて中国を訪れ、中国側は胡錦涛国家主席が訪中した民主党議員全員とのツーショット写真の撮影に応じるなど、最大級の歓迎でこれに応えました。
 日中友好を進展させること自体は非常に良いことであり、何の問題もありません。しかし、日米関係がぎくしゃくしているこのタイミングでの大訪中団は、外交センスの無さなのか、それとも日米関係の変節と連動した日中関係の緊密化を狙ったものなのか、注視する必要があります。


◆ 政府による天皇陛下の「政治利用」

 小沢訪中団の直後に来日した中国の習近平・国家副主席と天皇陛下との特例会見は大きな問題です。
 これは、陛下が外国要人とお会いになる際、1 ヶ月前までに文書で正式に申請をするという「 1 ヶ月ルール」を無視した政府の強い要請により強行されました。
 陛下のご会見は、その国の大小や政治的重要性を超えたところで行われており、そこに政府の政治的要請を持ち込むことは、天皇を政治的に利用しようとするものであり、憲法上からも絶対にあってはならないことです。
 しかし、今回の習副主席の場合、日本側への要請は 1 ヶ月前を切った11月下旬に為され、当初日本側は「 1 ヶ月ルール」を理由に断ったにも関わらず、中国の要求を受けた首相官邸が宮内庁の強い反対をあえて押し切り実現させました。
 しかも、この背景には民主党の小沢幹事長側から首相官邸への働きかけがあったとも伝えられています。
 小沢幹事長の民主党訪中団への異例の大歓待との関連が取りだたされるのは当然です。


◆ 小沢氏の不勉強と独裁手法

 小沢氏はこの特例会見を憲法の定める天皇の「国事行為」と断じつつ、「陛下の行為は国民が選んだ内閣の助言と承認で全て行われる」と質問した記者を恫喝するように主張しました。
 しかし、憲法は天皇が行う国事行為として国会召集や衆院解散を記しておりますが、外国賓客との会見は国事行為ではなく、天皇の意思を反映した「公的行為」と分類されているのです。これは小沢氏の不勉強を物語るものであり、唯我独尊の解釈を用いた独裁的政治手法の証ではないでしょうか。このような政治利用を目的とした解釈が許されるわけがありません。
 私も所属する超党派の真・保守政策研究会では緊急集会を開き、政府に断固抗議すべく決議をまとめ、鳩山首相に面会を求めましたが、なんと多忙を理由に首相も官房長官も面会を拒否したままです。
 自民党では17日に、石破政調会長を委員長に「天皇陛下の政治利用検証緊急特命委員会」が設置され、この問題を徹底的に追求し政府を質すことにしています。


◆ 民主党政権による外交の変質を問う

 民主党政権は従来の日米、日中関係を見直し、日本外交の変質を狙っていることがみえてきます。
 また、選挙に勝ちさえすれば、自由に国を動かすことができる、と錯覚しているのではないかと危惧します。
 問題は、このような根本的な外交方針の変化が、国会の議論も、国民への説明も無しに行われようとしていることです。
 私は今後の国会で、このことをしっかりと政府に確認し、議論を深めなければならないと考えています。



 新 藤 義 孝

第189号 これでいいのか鳩山政権!~政権の本質を問う3つのポイント~

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11月17日 私が理事を務める衆議院安全保障委員会において、沖縄の米軍・普天間基地の移転問題について外務・防衛各大臣に質疑を行いました。その模様は動画でご紹介しておりますので、ぜひご覧になって下さい。


 今、日本の政治・経済は極めて深刻な事態に陥っています。その根本の原因は、政権交代した後の鳩山連立政権の体質にあると私は考えています。今号では 3 つの観点からこれを検証したいと思います。


◆ ①強権・独裁的国会運営

 鳩山政権初の臨時国会は、党首討論は一度も開かれず、我々が求めた予算委員会の集中審議は無視、法案質疑もほとんど行われず、最後は強行採決という乱暴な国会運営が行われた末に、36日間というこれまでにない短い期間を、わずか 4 日間延長しただけで閉会してしまいました。
 大幅な会期延長は来年度の予算編成に支障をきたす、というのは理由になりません。自公政権時代の昨年の臨時国会は12月25日まで、2 年前が越年の 1 月15日、3 年前が12月19日まで開いておりましたが、同時並行で予算編成も年末までにしっかり仕上げております。
 あきれたことに、民主党議員には党の方針により質疑時間はほとんど与えられず、議員立法も原則提出禁止、新人議員にいたっては地元選挙活動を優先し、国会は採決だけでよい、というような小沢幹事長のおふれのもと、大量議席を持ちながら所属議員たちが委員会で発言しないという異様な国会が出現したのです。
 党側では、かつて設置されていた政策部門会議が廃止され、政府に入らない民主党議員が政策について正式に議論する場はありません。
 政府側も、政権に参画した大臣は与党内の他議員の意見や、議員を通じて伝えられるはずの世論を受け止める機会さえなく、自らの感覚で政権運営をしているのです。
 国会を短く閉じてしまったのは、鳩山総理や小沢幹事長などの政治資金にまつわる疑惑追求から逃れるためであるとか、小沢幹事長が12月10日から民主党議員140人とその支援者の合計615人を引き連れ中国を訪問する予定があり、その前に国会を閉じる必要があったためともいわれております。
 政権獲得後の民主党には、自由に政策を議論する党内民主主義が影を潜め、強権・独裁的な国会運営は、まさに議会制民主主義を否定していることにならないでしょうか。
 鳩山政権にこの体質を改めさせるためには、まず国民・有権者にこの実態を知ってもらわなければなりません。国益や国民生活に深くかかわる課題を議論し、結論を導き出すのが与・野党を問わず国会の役割であるという基本を、私は敢えて皆様に訴えさせていただきます。


◆ ②首相の無神経外交

 沖縄の米軍普天間基地の移設問題では、鳩山内閣の対応の不手際により日米信頼関係が大きく揺らいでいます。それは我が国の安全保障環境に重大な影響をもたらし、国の発展と安全に支障をきたすことにもなりかねません。
 私は過日の衆議院安全保障委員会でこの問題について質問させていただきましたが、外務・防衛両大臣からは責任ある明確な答弁は得られませんでした。
 極めつけは鳩山総理の煮え切らない態度と無神経な言動です。
 オバマ大統領との東京での首脳会談では「トラスト・ミー(私を信じてほしい)」といい、翌日のシンガポールでは「大統領と約束はしていない」と言い放つ無神経振りを発揮。日米首脳会談の成果は一日で首相自ら壊してしまいました。
 日米合意に至った経緯と地元沖縄県民の苦渋の決断の重みを考えず、具体的な代案・腹案もなく軽々しく方針転換の可能性を持ち出したことがそもそも間違いです。
 沖縄では基地反対運動が勢いを増し収拾がつかなくなる恐れがあります。社民党は政権内で県外移設を声高に主張し、連立解消にまで言及し政権を揺さぶり始めました。
 この寝た子を起こすような事態を招いたのは、ひとえに鳩山首相の無神経な言動と外交音痴が原因と厳しく指摘せざるを得ません。
 私は、普天間基地の移設問題はこれまでの日米合意に基づいて、沖縄の負担軽減に配慮しつつ、出来るだけ早く結論を出し、新年度予算に基地移設関連経費が反映できるよう処理すべきと主張しています。
 一刻も早く鳩山総理は決断し、国会で国民に説明すべきなのです。


◆ ③予算編成のからくり

 デフレや円高の進行、3 兆円の補正予算の執行停止により、経済は 2 番底の危険にさらされています。
 にもかかわらず鳩山政権の公共投資削減はこれから逆に本格化し、事業仕分けという予算の減額作業に熱中しています。
 新政権の予算の重点は企業の競争力を高め全体を潤す政策から、消費者へ直接給付に移る方向です。
 政府が打ち出した21年度第二次補正予算 4 兆円超の内訳は公共事業を除いた自民党景気対策の焼き直しです。世間には伝わっておりませんが、政府が各省庁に求めた予算提出の期限は、なんと 2 日間で出せ、というものでした。
 22年度概算要求は95兆円まで膨らんでおりますが、これは自公政権で組んだ21年度当初予算の88兆円に民主マニフェスト分 7 兆円を乗せたものです。民主党はこれまでの予算をほとんど削らず、自分たちの分を上乗せして要求しているのです。
 一方、22年度の税収は38兆円の見込みです。今年度と同じ税外収入を10兆円とし、国債発行を今年度と同じ44兆円とすれば、合計は92兆円です。政府がこれから削るといっている 3 兆円の根拠はこんな程度のものなのです。
 さらに22年度の国債発行44兆円という枠には、言葉の大きなすり替えがあります。
 麻生政権が発行した21年度当初予算の国債は33兆円です。その後の第一次補正予算に11兆円の国債を追加発行し、2 回の予算編成で発行した44兆円を、鳩山内閣では22年度当初予算一回分で発行する、というすり替えを行っているのです。
 しかも、自公政権の第一次補正予算の見直しで停止された事業の内、約 3 分の 1 にあたる101事業が、22年度概算要求に復活して盛り込まれている始末です。
 経済は生き物であり、投資の流れやこれまでの活動を、パズルのように簡単に組みかえることはできない、ということを新政権は思い知らされていると思います。
 私は、国や国民にとって必要な予算や政策は何か、ということを責任を持って訴えて参ります。



 新 藤 義 孝

「キッズサッカージャンボリー in 川口」の動画をアップしました。

平成21年11月23日(祝)、川口市青木町公園で「第6回キッズサッカージャンボリー in 川口」が行われました。秋晴れのもと、たくさんのちびっ子たち が元気に参加してくれました。また、大宮アルディージャの皆さんにはサッカーを教えてもらい大いに楽しみました。ありがとうございました。

第188号 八ッ場ダムの本当の話~埼玉県・川口市・鳩ヶ谷市の負担は~

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11月10日、自民党国土交通部会メンバーと共に群馬県の八ッ場ダムを視察して参りました。
当日の模様は
私のホームページの動画コーナーで紹介しております。
さらに


◆ 水道水の供給源として

 八ッ場ダムは、利根川水系に作られる多目的ダムです。総事業費4600億円、完成予定は平成27年(あと 6 年)です。
 埼玉、東京、群馬、栃木、茨城、千葉の 1 都 5 県の下流流域の洪水や水害の防止(治水機能)と、住民の水道水の供給(利水機能)を確保するために進められてきました。
 利根川は埼玉治水の生命線です。H13年の台風時には堤防決壊寸前になったこともあり、H10年以降28箇所の堤防漏水が発生しています。
 利根川の水位をダムにより下げることが最大の洪水対策なのです。
 利水面でも大きな関わりがあります。私たちは市に水道料金を払い水を使っています。市は県営水道から水を買っており、県は河川管理者である国から河川の水を取水する権利を負担金を払って得ているのです。これを水利権といいます。
 埼玉県など 1 都 5 県の水源である利根川は現状の利用可能水量を使い切ってしまっています。従って新たにダムなどの水資源施設を開発し、河川水量を増やさないことには、これ以上の安定的な水供給ができない状態になっているのです。
 特に私たちの埼玉県は、県民に供給している水のうち、実に29%(約160万人分)の水が暫定水利権という、河川水量が豊富にある時しか使えない不安定な状態です。
 そして、この不安定な状態を安定させられる唯一の水源確保策が、八ッ場ダムなのです。八ッ場ダムの完成により埼玉県の安定水利権は99%に達します。
 過去に埼玉県は尾瀬付近に計画していた戸倉ダムの建設を取りやめました。このため八ッ場ダムが完成しないと、夏の渇水時の水が確保できなくなります。
 平成になってからも既に 6 回の取水制限が行われました。これまでは市町村の保有する井戸から臨時取水しましたが、地盤沈下の恐れがあり、今後も多用は出来ません。
 首都圏で最も安定水利権の少ない埼玉県は、八ッ場ダム建設費の負担金を最も多く払うことになり、総額は569億円(406億円は支出済み)に及びます。
 八ッ場ダムの整備または中止によって、最も影響を受けるのは埼玉県である、ということをぜひ皆様に知っていただきたいと思います。
 また、八ッ場ダムを含むダム開発に関し地元の生活再建や地域振興を支援するための基金があり、川口市が 3 億 4 千万、鳩ヶ谷市も 4 千万ほどの負担金を支出しています。


◆ 現地に行ってわかったこと

 私が受けた説明もマスコミ報道も、事業の進捗は事業費ベースで70%ということでした。
 しかしこれはあくまで金額上のことであり、現地の基盤整備は21年度中(来年の 3 月末まで)にほとんどが終わってしまいます。
 TVによく出る作りかけの橋(表紙写真)も 3 月までに開通します。これまで雨量が多くなると通行止めになっていた現在の道路は、山の中腹に1800mのトンネルによるバイパス道路が完成。同じくJRの線路も上にあがり、駅と線路が新設されます。小学校や公園、町営住宅、移転のための代替地も既に完成しており、住宅やお墓、旅館街も全て山の中腹に移ることになるのです。
 つまり、ダムを除いた周辺のまちづくりが完了するので、最後にいよいよダム本体を作る、というのが現地の実情だったのです。


◆ ダム湖による街おこし

 そして八ッ場ダム開発計画の真髄は、ダム開発により出来る新しい湖を活用した観光開発であり、旅館やお蕎麦屋さんなどの飲食サービス業を核とした「街おこし」だということが、実感できました。
 普通のダムは山奥にあるものが大半であり、人里離れたところ、というイメージではないでしょうか?
 ところが八ッ場ダムの場合は、ダムのすぐ50m下流からが観光地として名高い吾妻峡です。
 そこに美しい景観のダム湖が出来ればますます集客が可能になります。このダム計画は治水・利水を目的としつつ、併せて公共事業を活用した地域活性化策だったのです。
 この地域の生活再建策は、全てが「ダム湖ありき」なのに、肝心のダム湖が中止になりました。
 街が新しくなっても、人が来なければくらしを立てることが出来ません。これは民主党が標榜する「生活者主権」に逆行する許しがたい行為ではないでしょうか。
 そして、水没する地域の住民の方々の気持ち、激しい反対闘争や長い時間をかけた議論を無視し、国が交わした約束を突然に説明も無く反故にする今回の民主党のやり方は、どう考えても納得がいきません。

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◆ 現地を見ていなかった大臣

 現地では地元の町長や議会の方、住民の方々と意見交換会を行いました。
 その中でわかったことですが、なんと前原国土交通大臣は、八ッ場ダムの中止を宣言するまで現地を見たことが無かったのです。
 現地も見ず、計画の意図も確認せず、現場の声も聞かずして、どうして中止を決められたのか、まったく不思議なことです。


◆ 事業再開に向けて

 民主党は一方的にダム本体工事を中止するといっていますが、地元や下流域の都・県知事はじめ議会も激しく反発しています。
 私は今、自民党内においてダム本体工事の中止撤回に向けた国民運動を行うよう訴えております。
 皆様にもご理解と応援をよろしくお願いします。 


 新 藤 義 孝

第187号 国家主権を考える・竹島問題シンポジウム~鳩山政権の迷走の陰で~


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10月25日、拓殖大学で開催された竹島問題シンポジウム「日韓の和解と友好を考えるマラソントーク」に参加して参りました。当日の模様は私のホームページの動画コーナーで紹介しておりますので、どうぞご覧になってください。


◆ 鳩山政権の迷走

 鳩山政権の迷走が日を追うごとに激しくなっています。国家としての基本理念や戦略が定まっておらず、混乱や見切り発車の連続です。
 問題の本質は日本国としての政策立案や提案が、国会での議論や政府としての十分な検討や、これまでの経緯を無視し脈絡の無いまま、民主党のマニフェストに書いてあるからという理由で、まるで打ち上げ花火のように打ち出されていることにあります。
 補正予算の執行停止による景気後退への恐れとともに、新年度予算の編成・税制検討作業は通常の 2 ヶ月遅れとなり、国民生活に悪影響が出ることは必至です。さらにダム中止問題や郵政民営化の逆行など内政の混乱に加え、外交・安全保障面での迷走・停滞が国に与える影響を私はとても心配しています。
 沖縄の普天間基地移転問題では、首相と外務大臣と防衛大臣の見解がことごとく食い違い、これまでの日米合意が反故にされる展開の中、いまや日米間の信頼関係はかつて無いほど低下しつつあります。
 東アジア共同体構想(国会で一度も議論しておりません)では、米国の反発を買うと共にアジア諸国からも具体性が見えず戸惑いの声が上がる中、そこにつけこんだ中国が主導権を握るべく暗躍しています。
 国連総会で、日本のCO2ガス排出量を1990年比25%削減する宣言は、各国の賞賛を受けました。
 しかし、米国も中国も未だに具体的な削減枠を表明せず、EUにいたってはこれまで表明していた日本を上回る30%の削減目標を取り下げてしまいました。
 予定されていた今年中のCO2ガス削減の国際取りまとめは絶望的といわれる中で、日本の削減量のみが突出して高くなってしまったのです。
 環境問題は人類共通の課題であると共に、冷徹な国際ビジネス交渉の場です。日本は国際公約を守るために、自国で削減できない分を海外から多額の排出権を買わなければならず、皮肉にも各国からは日本が取引にいくらお金を使うのか、大きな期待が寄せられているのです。


◆ 国家主権の確立が重要

 こうした国家としての混乱や迷走を続ければ、国際社会や市場からの信頼を失うと共に、国内の混乱に乗じた外国につけこまれ、我が国の国益が大きく損なわれることにもなりかねません。
 私は国会議員として、まず第一に目前の国民生活向上に向けた政策の実現に努力します。それと共に、国家の最高使命である「国家主権の確立」=(国の領土を確立し独立を確保すると共に、国民の生命と身体の安全と自由を保障する。)に最大限の努力をしなければならないと考えています。


◆ 「友愛精神」の危うさ

 戦後の日本は国家主権を侵され続けています。ロシアとの北方領土問題、中国との東シナ海ガス田開発問題や尖閣諸島問題、韓国との竹島問題、北朝鮮との拉致問題はいずれも国家の主権が絡んだ絶対に妥協できない問題です。
 また、歴史教科書問題や靖国神社問題など国家主権とも絡む問題も抱えています。
 過日の衆議院総選挙ではこうした問題は大きな争点とはならず、国民はこうした問題で政権選択をしたとは思えません。
 しかし、今回の選挙結果による民主・社民・国新の連立政権は、社会主義思想の持ち主や労働組合・日教組出身議員が閣僚となっており、日本政府の外交や安全保障の方針が、彼らの思想や心情、歴史認識が色濃く出るものになるのは必然と覚悟しなければなりません。
 そもそも鳩山総理の「友愛精神」なるものが、外交上極めて誤解されやすい言葉だと思います。
 外交を行う相手国との懸案や嫌がることを棚上げし、仲良くすることばかりを優先されては交渉になりません。
 現実に10月10日の温家宝・中国首相との会談では、鳩山総理の発言が、東シナ海ガス田開発交渉にかかる日中協議の先送りととらえられてしまいました。
 鳩山総理は、「靖国のことは頭から消し去ってほしい」と発言したことも伝えられています。


◆ 竹島問題シンポジウム

 我が国固有の領土ながら、韓国に不法占拠されている「竹島」について、その問題を論じ合うシンポジウムが、過日開催されました。
 私も主催の拓殖大学・国際学部教授である下條正男先生より招待を受け、発言して参りました。
 私の発言骨子を以下に記します。
・竹島問題は決して蓋をしてはならない。古くから竹島を韓国が領有し
 た事実も史実も無い。
・日韓の友好は、真の歴史を両国民が事実に基づいて正確に知ることか
 ら始まる。
・日韓の摩擦が高まった 3 年前の竹島周辺海域の海洋調査も、日本が実
 力行使も辞さない姿勢を示したことにより、現在は日韓共同で調査が
 行われている。
・互いに言うべきことを言い合える関係が信頼を高める。
・従来は日本語のパンフレットのみだったが、外務委員会で私の提案に
 より、韓国語、英語、中、独、仏など 9 カ国のパンフが完成し、外務
 省のホームページで紹介されるようになった。
・日本政府の主張を、国内と世界に伝える努力がもっと必要だ。
 当日の模様は私のホームページの動画コーナーで紹介しております。
 また、ホームページでは国会アーカイブというコーナーで、これまでの外務委員会での質疑の議事録を公開しております。
 さらに、週刊新藤第105号「竹島の真実」もホームページでご覧いただけます。
 ちなみに鳩山総理は、選挙前の6 月と、総理になった10月に韓国を訪問し、李明博大統領と会談を行っています。いずれの会談でも、竹島問題には一言も触れず、「日本の新政権は歴史を直視できる政権だ」と発言し、韓国側を大いに喜ばせました。
 政権交代が行われた陰で、我が国の国家主権が揺らぐことのないよう、今後の新政権の行動をしっかりと検証して参ります。


 新 藤 義 孝

初代ネットメディア局長に就任いたしました。

自民党HPなどを企画・運営している広報本部マルチメディア局がこのほどネットメディア局に名称が変わり、10月29日、党本部で第1回役員会が開かれました。
初代局長に新藤義孝が就任いたしました。
また、次長には古川禎久、近藤三津枝、平将明、小泉進次郎、齋藤健の各衆院議員と丸川珠代、丸山和也、義家弘介の各参院議員が就任しました。

第186号 大丈夫か鳩山政権!~ふくれ上がる予算、巨額の国債発行~

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「政治は街から」をモットーに国政の現状、課題、問題点を訴えさせていただいております。お招きがあれば懇談会も実施します。ホームページには動画がたくさんありますので、ぜひご覧になって下さい。


◆ ようやく始まる国会

 政府は臨時国会を26日に招集し、11月30日までの36日間の会期でようやく国会が始まります。36日間の会期といいますが、土・日休日が入り、国会の手続きに則って本会議と委員会を開催すると、法案の実質審議は10日間くらいしかありません。我々は年末まで国会を開き、懸案の議論を行おうと激しく主張しましたが、民主党は全く聞く耳を持ちませんでした。


◆ 民主は代表質問なし

 やっと行われる首相の所信表明に対する各党の代表質問ですが、衆議院では民主党の小沢幹事長は行わないことになり、与党の質問は代表して社民党が行うことになりました。(社民党の重野幹事長は「自分たちは知らない。民主の分まではやらない。」といっていますが・・・)
 新政権のスタートに、与党が政府の方針を質し、国民に向けて説明する機会を放棄することは、立法府の自殺行為だと、私はあきれています。
 これまでの小沢幹事長の党首討論拒否や国会議論軽視など、密室主義・唯我独尊の悪癖が早速現れたか、と先が思いやられます。


◆ ふくれ上がる政府予算

 新年度予算の概算要求が10月15日に締め切られました。なんと過去最大の総額95兆381億円!!
 あれほど批判していた前麻生政権の09当初予算の88兆円をはるかに超える額です。これまでの自民党政府予算を官僚や族議員のお手盛りと厳しく批判し、政権交代により生活者重視の効率的予算をつくるといった選挙前の意気込みはどこに行ってしまったのでしょうか。
 厚労省は子ども手当に 2 兆 2 千億円、年金記録問題対策費に1800億円など09当初予算より 3 兆 7 千億円の増額要求。
 文科省は高校授業料の実質無償化に4500億円。
 国交省は九州・北海道で行う高速道路の無料化実験に6000億円。
 農水省はコメなど農業の戸別所得補償に3500億円。
 一方、防衛費は 8 年連続減、ODAも200億円の減、そして、公共事業費は全体で14%減と大幅な削減となっています。道路整備関連は09当初予算に比べ12%減となり、開通時期が近いものは優先するものの、原則として新規事業は認めないそうです。事業箇所を 2 割減らす方針とのことであり、区画整理など、まちづくり事業は大きく後退することになります。


◆ ムダは省いたのか

 新年度予算の概算要求がこんなにふくらんでしまったのは、民主党の選挙公約を一部実施するため多くの省庁が前年度よりも増額要求となったからです。全てを実施するには、さらに何兆円もかかります。
 民主党がこれまで主張してきた従来の自民党政府予算のムダや不必要なものを省いた上で自分たちが主張する予算を入れ込むならば、こんなことにはなりません。各省の新大臣や副大臣など政務チームは、これまで以上のお手盛り要求をしてしまっていると云うことなのです。
 今後、政府は行政刷新会議で予算のムダ遣いを検証するといっておりますが、これはおかしなことです。
 民主党は、自民党政権によるムダを省くといってきたのであり、まず従来予算のムダと認識していたものを削ってから、自分達の事業を加えるべきなのです。自分で出した要求のムダを自分たちで探すなどと云うことは自作自演であり、私にはとても奇妙に映りますが、皆さまはいかがでしょうか。


◆ 国債発行が50兆円超に!?

 藤井財務相は10月20日の閣議後記者会見で、09年度の税収の大幅な落ち込みにより、今年度新規国債の発行額が50兆円台にふくらむことを認めました。
 しかし、これまでの報道をチェックしてみると、藤井財務相は10月 9 日に、「09年度の国債追加発行は行わない。10年度の国債発行も44兆円以下に抑える。そうしなければ財政規律や国債市場の信任に応えることにはならない。」と言い切っています。
 民主党は衆院選前、「予算の組み替えを行えば赤字国債を増発しなくてもマニフェストで掲げた公約は実行できる」と繰り返し訴え、鳩山首相もこれまで何度も強調してきています。
 ところが鳩山首相は10月14日には一転して、税収減を穴埋めするためには国債増発やむなし、とこれまでの主張をあっさりとくつがえしたのです。
 10年度の税収は景気低迷の影響で25年ぶりに40兆円を割り込むと云われており、そうした場合には新規国債の発行額が税収を上回ることになってしまいます。
 すでに危機的な状況にある日本の財政に対し、国債発行額が大幅に増えれば長期金利が跳ね上がり、経済に大打撃を与えることになるのは必至です。


◆ 景気の二番底を回避せよ

 日本経済は底を打ったといわれておりますが、再び景気の二番底の可能性が懸念されています。
 それも民主党政権が通貨安定策を否定して円高が進み、銀行からの借金返済を猶予する制度を打ち出したことで株安を引き起こし、経済の悪化を誘引してしまったのです。
 さらに選挙公約の実現に執着したお手盛り予算を要求し、巨額の国債発行を容認し、財政再建計画の目標策定を見送ってしまいました。
 そういう状態でありながら、新年度予算の財源捻出のため成立済みの補正予算を 3 兆円近く執行停止させました。
 結果、地方自治体では受け入れた補正予算の内どこが執行停止になるのか各省からの連絡が来ないため、予算が執行できず地域経済が止まってしまっているのです。
 政府の経済運営はエアポケットに入った状態といえます。
 経済以外も、ダムの見直し、CO2の削減目標、郵政民営化の見直しも国会での議論は無く、政府が勝手に決定しています。インフルエンザワクチンの接種回数もわずか 3 日で 1 回から 2 回に変更する始末です。
 鳩山政権の危うさを注視しながら、景気の二番底回避に向けた実効性ある景気対策を早急に実施するよう働きかけてまいります。


 新 藤 義 孝