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第 9号 2004.06.07 発 行 |
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22日に北朝鮮で行われた「日朝首脳会談」によって、日本人拉致事件や弾道ミサイルの発射実験等、日朝間に横たわる諸問題に対して解決の道筋がつけられました。しかし、日本人拉致に関して新たな情報開示等の進展がなく、被害者の家族から失望と怒りの声明が発表され、小泉首相の責任を追求するという一幕もありました。 今週は、昨年まで外務大臣政務官として北朝鮮問題を担当してきた者として、拉致問題の経緯と、今後の私たちが取り組むべき点について、お話をしたいと思います。 第1に、これまで北朝鮮側は、「拉致問題は存在しない」と断固否定し続けてきました。一方、日本でも小泉訪朝まで、「真相が判明するまで『拉致』という言葉は不適切だ」という旧社会党などの主張によって、国会では「行方不明者」という言葉が使われていました。要するに、拉致問題は公式の政治課題にはなっていなかったのです。 しかし、2002年9月17日、小泉首相の訪朝によって実現した前回の日朝首脳会談の席上、金正日総書記が日本人拉致の事実を認め、謝罪し、初めて国家レベルで解決すべき二国間の問題として取り上げられるようになったのです。 第2に、2年前までは我が国は国際社会の場に、この許せざる卑劣な人権問題をことさらアピールしてこなかったという事実があります。
小泉政権はこの方針を大転換し、国際社会に拉致問題をアピールし、各国の理解と協力を得ようとしました。私も閣僚チームの一員として、03年7月のバリ島における「アジア・欧州外相会合(ASEM)」等の国際会議で北朝鮮拉致問題を強く訴え、また、私がお会いしたキューバのカストロ議長や中国・李肇星外相を始め、韓国、英国、ドイツ等々各国の大臣や政府要人に対し、あらゆる機会を捉えて拉致問題の実態を詳細に説明し、協力を依頼して参りました。
そして、この拉致問題が正式に国際舞台で認知されたのは、昨年6月のフランスで開催された「G8エビアン・サミット」でした。事前の5月末にテキサスの牧場で行われたブッシュ大統領との日米首脳会談を皮切りに、小泉首相は拉致問題解決への協力をサミットの首脳会談で各国へ強く要請。そのことによってアメリカ、イギリス、ドイツ等のG8各国が拉致問題解決に向けての協力を表明し、初めて国際問題として世界から承認されたのでした。その後、六カ国協議(日・米・中・韓・露・北朝鮮)が開催され、国際的にミサイルや核開発問題も含めた北朝鮮に対する包括的検討がなされるに至った日本政府の外交努力を、私は理解し、評価すべきだと思います。 政治の評価は、すべて結果によって決まります。しかし、よりよき結果を得るためには、適切なアクション(行動)と必要なプロセス(過程)が重要になります。これからも政府と国民が一致結束し、強い信念と断固たる決意のもと、適切なアクションを積み重ね、しっかりとそのプロセスを踏んでいくことが何よりも大切ではないでしょうか。 次に、この拉致問題の現状と今後の私たちのあり方についてお話いたします。現在、日本政府認定の拉致被害者は15人。そのうち5人は日本に帰国できました。残りの安否不明の10人については、8人がすでに死亡していると北朝鮮側は2年前の日朝首脳会談で明らかにしました。しかし、その死亡原因など矛盾に満ちた内容は、到底納得できるものではなく、今回再調査をすることで合意がなされました。 しかし、この方たち以外にも、「特定失踪者問題調査会」が公表した拉致濃厚であると認定された方が28人。拉致の疑いがある方々は197人。さらに、情報が寄せられている方を含めると、実に400人超もいらっしゃるのです。拉致家族連絡会の皆さんの怒りと落胆は、「この問題が外交的駆け引きによって、中途半端に幕引きがされてしまうのでは?」との、大きな心配と不安の表われではないかと思っています。
実は、川口・鳩ヶ谷地域にも5人の方が、この問題に関係しています。すでに私は関係者の皆さんからご相談を受け、昨年12月末には川口外務大臣にお会いして、特定失踪者問題の政府窓口の設置についてお願いをしました。 ![]() ちなみに、安否不明被害者10人の中の1人である田口八重子さんも、川口市の出身です。田口さんは、昭和53年6月29日失踪、拉致され、北朝鮮側はすでに交通事故で死亡したと発表しました。私も真相究明のため、田口さんの兄・飯塚繁雄さんや「田口八重子さんを救う会」の方たちと一緒に、昨年にはチャリティ・コンサートを開催しました。また去る5月29日には川口駅頭で、署名運動や募金活動などを行いました。
このたび私は自身のホームページに、拉致問題や特定失踪者に関する資料を掲載しました。また、インターネットを活用し、早期解決を政府へ要望する電子署名運動も呼びかけています。ぜひとも私のホームページをご覧いただき、ご理解・ご協力をいただける方には署名をお願いします。私が責任をもって、関係者の方たちと共に、皆さまの真心とお志を政府にお届けいたします。 北朝鮮による拉致問題は、ミサイル・核開発問題と共に日本の安全保障に関わる最重要課題です。被害者のご家族の悲痛な叫びを我が心の叫びとして、私も拉致被害者や特定失踪者の救出と真相究明に向けて、全力を尽くして参りたいと思います。
![]() 昭和33年川口生まれ。明治大学卒業。 川口市役所で地方自治を経験し、市議を経て、 平成8年38歳で衆議院議員に。当選2回。 小泉内閣では総務大臣政務官(43歳)、 続いて国会対策副委員長、 外務大臣政務官(44歳)を歴任。 昨年11月の総選挙で惜敗。次をめざす46歳。 ☆ 新藤義孝後援会事務所 ☆ 〒332-0034 川口市並木 1-10-22 TEL 048-254-6000 FAX 048-254-5550 |
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